大学受験と自由英作文。

受験生と、受験生を支える人を応援してます

キャラメルで感銘しちゃった

森永キャラメルといえば大相撲の幕内最高優勝者に与えられる副賞の一つということは知っていましたが・・・

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こんな啓蒙的な文言がついていたとは知りませんでした。ベルマーク切ってたついでに発見。

写真だと見えづらいかもしれないので文言を写しておきます。

 

 学問の本来の趣旨は、精神の働きにある。

 

その下には<京子先生の解説>・・・京子先生は教育研究家の方。

 勉強しても、人の見識や品格は高まりません。「正しいと判断すること」と「正しいことを実行すること」は全く別です。見識・品格を高めるには、常に上をめざし、決して自己満足しないことです。

 

 

読む人にとって様々な解釈ができそうです。

ちなみに私が解釈したのは・・・

 

 ただ座って、与えられた課題を(提出するために)やっていても、知識はとどまらない。「この課題から何を抽出できるか、この知識がこういう問われ方したらどう対応するか」を考えながらの復習までいかないと、高度の定着・理解とはいえない。「なぜこの解答が正しいのか」と判断するのと、「これが解答ね」とマルつけ実行しただけなのとは別物。志望者集団のなかで自分の立ち位置を上げるためには、常に問われていることの意味をほりさげて考え、「いまここで何を知ってなくちゃいけないのか?いまここで何が出来ているべきなのか?」を自問自答すること。

 これはとても時間がかかり、シンがつかれる勉強ではあるけど、勉強のほかになにも心配することがない(生活費とか家事全般の采配とかが自分ひとりの責任じゃないという意味)身分でいられるうちにやりとげておいてほしいことです。

 

学生の夏休みって、うらやましい!!

新しい知識や技能が自分のモノになるんだもん!!

 

 

 


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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【金沢大学医学類】

金沢大学2017年度入試では自由英作文は次のようなものでした。

 

     A self-driving car is a car which can drive itself.  It uses cameras and sensors around its body to "see" its surroundings.  Many experts suggeest that self-driving cars will become widely used in just a few years.  If this does happen, what canges may it cause? 

     ・Choose one area you would like to write about from (1) to (5) and write the number in the small box.  ←解答用紙に選んだ番号を記入する枠があるのでそのことですね

          (1) the car industry          (2) public transportation          (3) traffic laws

          (4) the design of cities          (5) the lives of disabled or elderly people

     ・Think of two changes that may occur in the area of your choice.  In each large box, describe one change, reasons for the changes, and the effects of the change.  Write 40-60 English words in each box.  ←解答用紙には答案作成枠が2つあるのでそのことです

 

 

ブログタイトルに金沢大学医学類とありますが、金沢大学では2017年度入試まで、英語は医学類も人間社会学域も理工学域もすべて同じ出題です。以前から、医学類受験者には専用の選択問題が出されるかもしれないという噂はあるので、英語のみならず数学・物理・化学においても注視していく必要があると思います。

 

2017年度入試のお題は「自動運転自動車の登場によって生じる変化を2つ、それぞれの理由とその変化がもたらす影響」でした。あんまり自由に述べさせると解答の幅が広がりすぎると判断されたのか、どんな観点から考えるのかの縛りが5つ用意されています。採点者にとっても楽でしょうし、受験生にとってもぐっと発想しやすく書きやすくなったでしょう。

 

とはいうものの、ほとんどの受験生にとって自動運転自動車を日常生活でしょっちゅう目にすることはまだまだ少ないでしょう。実は金沢大学能登地区で自動運転バスの共同研究を実施しているのである程度この出題は予想できていました。前年度形式のイラスト説明型で・・・ですけどね

 

ところで自動運転についてニュースになっているのを見聞きしていても、それがもたらす変化、その理由と影響について考えることはなかなかなさそうです。書くべき内容について、受験生は一生懸命リアルに想像しなければならなかったはずですが、日ごろから「具体的に、明確に考えて書く」訓練をしてきていればなんとかなったでしょう。

 

そもそも金沢大学では長文は「・・・ハ?」みたいな易しいものが2題出されて、その後にくる自由英作文が「地獄行き一丁目」ですからね。

いえ決して金沢大学の長文がカンタンすぎるとはいっていないです。ただ、長文2題では合格相応レベルの受験生であれば他の受験生との間に差が生じません。行司の軍配がかえるのは自由英作文に踏みこんだ時。ここから合否の分かれ道です。

易しい長文に甘えてしまい「長文で得点が見込めるから金沢大学二次の英語はなんとかなるだろう」と思って自由英作文の対策をぬかっていると、ほぼ落ちます。

 

金沢大学自由英作文完全重視です!

 

学力層や地域を考えると、たとえば名古屋大学神戸大学を志望していた層が、センター後に志望変更して金沢大学を受験しにくるケースが比較的あるかと思います。志望変更によって気持ちが下がる日もあるかもしれませんが、、、

合格したもん勝ちと割り切って、センター以降から二次直前まで毎日書いて添削してもらいましょう。

 

 

 


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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【神戸大学】

 神戸大学の2017年度入試での自由英作文出題は以下の通り。

 

Read the paragraph below and answer the following two questions.  

          Every day of our lives, we make many different decisions, both small and big.  

     Sometimes we make decisions based on good reasons; other times we make

     decisions without careful consideration.  One example of the latter is called the

     Bandwagon Effect.  In this situation, you would choose to do something just because

     many other people are doing it. 

     (1) Describe a specific example of how the Bandwagon Effect has affected one of the

          decisions you have made in the past.  The answer must be written in English. 

          (around 40 words) 

     (2) Do you agree with the statement that the Bandwagon Effect has a stronger 

          influence on teenagers then adults when they are making decisions?  Include at

          least two reasons to support your answer.  The answer must be written in English. 

          (around 60 words)

 

問(1)は40語程度という短さ。自分の経験を一つ書けばよいだけです。材料に悩む・・・とか全然違う内容を書いてしまった・・・という人は長文、てゆーか文章の意味を正確にくみとれていないことが原因です。文章から正確な情報を得られていないのは英作文以前の課題です・・・

 

問(2)は約60語の指示。この60語程度というのも大学受験においては短いです。その短い中に少なくとも2つの理由を入れるよう要求されています。指示語数が多ければ十分に語数を費やして理由を述べることができますが、今回のように短い語数では2つの理由を盛り込むのに精一杯、しかもそれぞれ具体的な陳述にしないといけません。おそらく80語程度あったほうが書きやすいように思われます。

 

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それというのも、自由英作文においては「指示語数が少ないからラク」とは一概にいえないからです。

指示語数がタイトな場合、内容も明確に突き詰めて英文も簡潔に磨きこまないと合格レベルの答案になりません。こういう出題の方が玄人ごのみといえばそうだけど・・・

 

実際に書いてみると、「これ問(1)と問(2)に分けて出題する意味あったのかな?」と思いました。特に問(1)は文章の意味が正しくとれているかの確認程度にとどまる(問1の答案作成時点でエラーが多い受験生はそもそも二次記述レベルの英語運用力が危険水域であるということ)ので、もしかすると次年度入試では形式変更・分量増があるかもしれません。

 

これまで大学受験の二次試験では、長文読解と自由英作文は分離して出題されることがほとんどでした。しかし東北大学慶應義塾大学(経済)で出題されているように、受験生に長文(東北大学2017年度入試では会話文)をまず読んでもらい問いに答える、その後に長文の内容に絡んだテーマで自由英作文を出題する「融合型」の形式が今後は増えてくるかもしれません。

長文と自由英作文を切り離すやり方だと形式による慣熟ばかりになり、総合的な思考力が測れないと考えられているからかな。

 

神戸大学は受験生の人気に比して、出題される長文は標準レベルの分量・やや易ともいえる程度ですので、受験生間に差をつけるためにも英作文をいじってくる可能性は十分あるといえるでしょう。

地域的にみて大阪大学志望者がセンター後に出願変更するケースが多いでしょうし、大阪大学で要求されている「70語程度」に寄せてくるかもしれません。

 

 

 


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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【大阪大】

大阪大学での自由英作文は、2017年度は次のようなものでした。

インターネットサイトのQ&Aサイトに中学2年生から次のような相談がありました。

 私は、はっきり言って勉強が嫌いです。特に嫌いなのが英語と数学です。一生外国に行くつもりなんかないし、日本では日本語が使えれば生きていけるのに、なぜ使う必要もない外国の言葉を、こんなに一生懸命勉強するのかわかりません。数学もそうです。買い物をするのに方程式や図形はいりません。なぜxやyを長々と書きまくるのか、全然理解できません。他の科目もいっぱいおぼえさせられるので嫌いです。(でも体育や音楽は楽しいから好きです。)

 この悩みをお父さんに言っても、ただ勉強しなさいと言うだけです。でも、正月におじさんに聞いたところ、お父さんも中学の時は全然勉強しなかったそうです。なぜ私は勉強しなければならないんでしょうか?

 さて、あなたならこの相談者にどのようなアドバイスをしますか。70語程度の英語で相談者へのアドバイスを書きなさい。

 

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指示語数は70語程度と、大学受験では短いです。でも70語「程度」とはどのくらい?

この「程度」の解釈については次のように考えましょう。

四捨五入的な考え方をすれば、70語程度とは65~74語書けばよいことになります。

しかし出題者の意図を考えれば、「このテーマでしかるべき内容を盛り込めば70語になるだろう」という考え方となり、70語を切らない方がよいことになります。いくら簡潔にまとめて(と書いた本人が思って)いても、指示された数字として70が挙がっている以上、70語は書いてください。

ここでは71~73語がセーフゾーンではないでしょうか。 

もし書いてみて67語になってしまった場合には、修飾語句や強調表現を加えてみます。あと3語4語を瞬時に増やせないようでは、その英語運用力はそもそも大阪大学合格がおぼつかないレベルなのです。

 

 次に盛り込むべき内容ですが、相談内容からしてすでに非常に具体的です。
これが答案作成の際に強力な材料となってくれるでしょう。
 
「一生外国に行くつもりなんかないし、日本では日本語が使えれば生きていける」
   ↓ ↓ ↓
今後、日本で働く外国人が増えるだろうし、その人たちと意思疎通するために英語を使う場面が多くなるだろうから、英語を使える力を身につけておくことが重要だ。
 
「(数学や)他の科目もいっぱいおぼえさせられるので嫌いです」
   ↓ ↓ ↓
知識を土台にしているからこそ独創的なアイデアが生まれる可能性が高まる。
ベーカリーショップでは、基本的なパンの作り方を知っているから新しい商品を工夫し作り出せる。
プログラミングでは基本的な知識があるから新しいプログラムを加えることができる。
将来どんな仕事につくか現時点で明確でないからこそ全教科の知識をなるべく多く覚えるよう努力することが大切だ。
 
・・・これらすべてを盛り込もうとすると70語はあっというまにオーバーです。ベーカリーショップとプログラミングの例はどちらか片方でよいでしょう。でも、材料をきっちり用意しておけば、指示語数はかならずクリアできます。またそのように語数は設定されているものと思います。
 
大阪大学は従来、それほど抽象的でないテーマを出すことが多い傾向です。受験生が自分の身辺にあるであろうと思われる題材を用いて考えられるテーマが今後も出題されるでしょう。
 そのなかでも人口知能(AI)や自動運転自動車などは、昨今のニュースを番組や新聞で見聞きしていれば、材料は容易に挙がってきそうです。
次年度の予想テーマとして書いてみておいて損はないでしょう!

 

 

 

 


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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【京都大・名古屋大・名古屋工業大】

2017年度入試においては自由英作文の出題は以下のようになりました。

 

京都大学 30~40語が2題

名古屋大学 20語が2題

名古屋工業大学 60~80語

 

 

京都大学は2016年度入試から30~40語が2題とみられる自由英作文を出題し2017年度入試でもその形式が踏襲されました。2016年度入試では「積ん読」の説明、2017年度入試では「音楽に国境はない」という意見に対する賛否を支える根拠を書かせるというものでした。

さらに、自由英作文ではない、和文英訳では「生兵法はケガのもと」という言い回しが出てきたりして、京都大学は高校での「選りすぐりの良問長文問題集」を演習しているだけでは身につかなそうな、目線をほんの少し下げた感じというか、日常生活のなかに転がっている意外な着眼点から作問してきますね。

だからといって適当に軽く考えてよいというわけではありません。短い語数だからこそ端的に内容を盛り込み正確に英文化しないといけない。

 

次年度は自由英作文が出題されるようになって3年目です。このままで継続するかもしれないし、全国的な傾向・潮流をみて形式変更や語数増があるかもしれないので要注意でしょう。

 

 

名古屋大学名古屋工業大学については、前回述べた東京大学東京工業大学の関係と同じことが言えると思います。もともと名古屋大学を志望していた理系上位層のなかで、思いがけずセンター試験の結果が芳しくなかった受験生は、名古屋工業大学の二次配点比率が超巨大なこともあり、名古屋工業大学の前期にシフトしていくケースが多いです。

 

ただし、東京大学東京工業大学の間にあった「自由英作文の訓練ムダだった」感は、名古屋エリアでは一掃されます。

2017年度入試までにおいて、名古屋大学より名古屋工業大学で出題される自由英作文の方が、要求される語数が多いのです。工学系受験生にとっては「これまで名古屋大学目指してきてて、結果として名古屋工業大学に出願することになったけど、自由英作文の練習をしてきてよかったわーしかも名古屋工業大学の方が語数多いし二次の配点比率高いから逆転の可能性高くなるわー(自分にとって有利だわー)」と考えてポジティブな材料になることがあるでしょう。

 

名古屋大学は、2018年度入試において、この自由英作文をどう扱うのでしょうか?名古屋工業大学との、言ってみれば「大学ブランドと入試要求の逆転現象」を解消してくるでしょうか。

大学入試改革の動きを受けて、もしかすると名古屋大学は自由英作文の出題変更・語数増へと動いていくかもしれません。

この変化動向は、京都大学での出題変更より可能性があるような気がします。。。

 

名古屋工業大学は昔は自由英作文を出題しなかったが理系大学なのに思い切って自由英作文を受験に導入した。名古屋工業大学が変われたのに、名古屋大学は変われない」と言われるのは得策ではないでしょう。

 

 

 


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