前回更新からまた間隔が空いてしまいました。
それでも合間に多くの方に読んでいただけて、とても励みになります。
今回はまず、大阪大学2018年度前期入試で出題された自由英作文のお題から。
人生、誰しも失敗がつきものですが、あなたはこれまでどのような失敗を経験し、そこからいかなることを学びましたか。最も印象的な事例を具体的に1つあげ、70語程度の英語で説明しなさい。
大阪大学のこの出題から、何を読み取りますか?
私は、日本人の国民性について考えを馳せました。
というのは、どんな事件・事案においても、
犯人捜しで終始してしまう日本人の国民性を
変えていかないといけないなあと思わせる出来事が
この夏多くあったからです。東京医科大の入試点数操作も
その一つです。
今回の事件で問題になっているのは2つ。
(1)文科省職員の息子を、業務上知り得た人脈を利用し(意図がどの段階からあろうとなかろうと、不正と受け止められる余地があるものだとハナから用心深く考えることをしなかった)、私立医科大に合格・入学させていたこと。
(2)ことは東京医科大や入試制度上の問題だけではない。日本という国における女性医師のキャリアパスを根本から見直す必要が明らかになったこと。
(1)については捜査当局が問題の本質を
ハッキリさせる責任があります。どうか、
手心ある追及に終わってしまいませんように。
(2)こそは、国民全体で考え抜いて、現実的な
解決策を求め始めなければならないと思います。
たとえば女子部・男子部と分けて入学者を募集すること。
たとえば女子大医学部を設置すること。
医師の働き方として、現状が結婚・出産・育児・介護を犠牲にしないと成立しないとみなされるものならば、女性医師が男性医師と「同じ」働き方をするのではなく、女性医師が女性の働き方の一つとして持続可能な働き方を作り出すことが現実的に必要な解決策となるでしょう。そしてそれはまた、医師だけではない、女性労働者全体の責務でもあります。
専門職の労働人生をかたちづくるうえで、
男子大学・女子大学と区分することは重要な意味が
あると思います。(これを差別という人は、言葉遊びに
酔っている人です。)
女子だけの学部生活の間に、女性医師としての働き方を考える。
実社会に出て実践しさらに模索しうまくいかないところは
修正したり改善したりする。
知識や技能習得のためだけの6年間ではありません。
女子学生の方は、ここを勘違いしないでください。
いずれ、すべての科を女性医師で回す
ビルクリニックも出てくるでしょう。
時短勤務にするため、産休・育休体制を組むための
実務上のコツや、チーム医療をスムーズに行うための
連絡ツールなどの開発・・・
いまの日本の女性にできないはずはありません。
男性医師は、これまで母や妻という女性労働力に甘えてきたから今のような働き方を作ってしまった失策を反省すべきでしょう。
その構造を恥じて見直す時期です。
「女子受験生不利は必要悪」と開き直るなんて、無能無策の証拠です。