まずは以下のデータをまとめてみました。
- 九州大学 100語程度
- 神戸大学 40語程度と60語程度
- 大阪大学 70語程度
- 東京大学 60~80語が2題
- 東京工業大学 和文英訳のみ・自由英作文の出題なし
- 京都大学 30~40語が2題
- 東北大学 60語程度
- 名古屋大学 20語が2題
- 名古屋工業大学 60~80語
- 一橋大学 100~130語
- 広島大学 90語(90語が2題だされるがうち1題は表から読み取れることを書くだけなので、自由英作文とはいえないであろう)
- 北海道大学 70~100語
- 横浜国立大学 75~100語
上位に位置付けられることの多い大学はこのような出題結果でした。
今回はそのなかでも九州大学、東京大学、東京工業大学に注目したいと思います。
大学入試改革の動きを受けてか九州大学であらたに自由英作文の出題がありました。過去問しか見てきていない受験生や、英語が得点源にならない受験生にとっては多少のショックがあったでしょう。国立上位大を受験するのなら、どこの地域を受けるにせよ、自由英作文の訓練を積んでおくのが必須の状況になってきています。単年で出題形式をコロコロ変えることは学生募集の面から学力評価の不均衡につながりますので次年度も出題があるとみるのが妥当です。
東京大学での自由英作文出題は例年通り。この大学を受験する学力層であれば余裕で書きぬけていけるものです。
東京工業大学では自由英作文の出題は2017年度入試においてもみられませんでした。入学式で学長が英語でスピーチしたというのが春先にニュースになりましたが、入試の場ではやはり数学・物理重視のままなのでしょうか・・・
しかし、理系上位者層にはセンター試験の結果によっては、繊細な意思決定をし、それまで志望していた東京大学を回避し東京工業大学を前期受験するという行動パターンがあります。そうした学力層の子たちはセンター試験にキュウキュウすることなく二次対策を十分してきています。となれば東京大学受験を見据えてこれまで自由英作文の訓練もしてきているわけですから、現状のままだと東京工業大学に出願した時点で自由英作文の訓練が無駄とはいわないまでも、その論理力育成の経験が活かされなくなってしまいます。
東京工業大学の内部にも自由英作文の導入を検討する動きがあるのではと考えてもおかしくないし、結果的に2018年度入試に英語の出題形式変更がありそれに伴い自由英作文が出題されても不思議ではない情勢が整いつつあります。
次回は京都大学と名古屋大学、名古屋工業大学について考察したいと思います。