現役生の医学部志望者とその保護者のなかで、夏期講習をどうしようか考えている人はいませんか?大手総合予備校か?医学部専門の塾・予備校か?
今回は医学部志望の現役受験生が、どこの講習を受けるべきかについて考えたいと思います。
結論。
「大手総合予備校に行く」
これが正解です。
ではその理由。たっぷり読んでください!
- 医学部のみならず大学受験で勝負するのに必要なレベルを体感できる。他者にまじって授業を受け、他者の出来を知り、客観の視点をもつことが大切です。医学部専門の塾・予備校は完全個別を謳うところが多いですが、自分の弱点補強をすることと受験で強く勝負できることがイコールでないということを、受験生は早く実感するべきです。ここを勘違いすると「数学を極めなければ医学部合格はない」とかなんとかいって数学マニアになり、ほかの教科に手が回らずさらに医学部合格から遠ざかります。弱点補強をしたうえで、さらにどこまで到達していく必要があるのか、または何を捨てるべきなのかを理解しよう。
- 医学部専門の塾・予備校の講師の質が担保されていない。コトバをあえて選ばずに、強インパクトな表現をするなら、講師業界の中でも彼らは「野良講師」。これまでに多くの講師を見てきましたが、医学部専門でやっている講師の力量は明らかに大手総合予備校所属の講師のそれより劣ります。英語であればいまだにネクステを、数学であれば十年一日のごとく、改訂も何のそので各色チャートを個別授業の教材にしていたりします。市販の自習用教材の問題に対して答えを示し解説するなんていうのは、果たして彼らのセールスポイントとする「プロ講師」のすることなのでしょうか?大学受験で勝負できる生徒を育てるためには、自力でネクステやチャートが解ける学力を、それ以外の教材や独自プリントを用いた授業実施を通じて身につけさせなくてはいけないのに、それができないのか・・・。完全に指導力不足なんです。医学部専門の塾・予備校講師が「国立記述対策ができない」ことも有名なファクトですしね。概して医学部専門の塾・予備校は授業料が高価ですが、その金額に見合う質の講師はいないといってよいでしょう。
- 大手総合予備校の講師は、その予備校の看板に集まってくる生徒を教室内で管理し、合格・不合格が分かれるポイントを明確にした授業をし続けなくてはならない。完全個別で自分だけの世界に浸っている講師と生徒は、この合否を分ける知識・解法・解釈を知り得ません。自分の出来不出来しか分からないので、ほかの受験生がどこまでできてどこでつまづいているのか見えません。周囲が見えないのでしぜん完全主義に陥りやすく、多浪体質に変わっていきます。医学部専門の塾・予備校が多浪を作るのか、それとも多浪体質に染まってしまった人間を引き寄せるのか・・・現役生が仮に夏だけでも足を踏み入れるトコロではないでしょう。
なぜ世の中に医学部専門の塾や予備校があるのでしょうか?ニーズは、相当な学力不振の子女をもつ医師家庭にあります。
子女に医師になってもらいたい・
医業を継いでもらいたい
↓
しかし子女の学力が底辺にちかく、
とても大手の塾や予備校の医学部
コースには入れない。そもそも理系
として苦しいレベル。
↓
子女本人にとってもほかの生徒と
比較される塾・予備校は辛い。
↓
親にお金はあるので、複数年浪人を
承知のうえで医学部専門に入る。
完全個別だから親も「うちの子を見て
くれている」と謎の安心感が買える。
こういうサイクルですね。
さらに、親にコネクションがあれば学力次第でAO合格が可能。これが「医学部受験にまつわる情報量が豊富」というフレーズのカラクリです。
読み替え感が半端ない!
ご自身がこのケースであれば何の迷いもなくどうぞ。
競争のなかでしっかり勉強し大学合格を目指すことは、耐えるに値する貴重な経験。
以上、夏の講習についてお考えの方に、参考になれば幸いです。