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大学入試センター・新テストの自己採点は?

 

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今回は2020年実施を予定されている大学入試センター(新テスト)について、大学入試センター発表からのリサーチをもとに少し考察も加えて書いていきます。今日は英語ライティング・・・の出番はほぼありません!
 
平成29年2月・3月に大学1年生を対象として行われた、国語・数学に記述式を一部組み込んだモニター調査では、自己採点もシミュレートされました。その結果、受験者自身による自己採点と、採点業務委託を受けた民間業者による採点との一致率が出されました。数学では受験生サイドの自己採点と業者サイドの採点との間に、平均9割の一致率があったのに対し国語は平均6割強。数学では途中の部分点の有無が明確に示しやすく受験者も自己採点しやすかったでしょうが、国語の部分点の有無は受験者には判断がつきにくいからでしょう。
 
 
センター試験の自己採点結果にもとづいて出願先を決めるに際して、国語の自己採点結果によっては揺らぎが生じる可能性が出てきそうです。すなわち国語や記述式に対して苦手意識がある生徒は自分の答案に部分点を上乗せしづらく、弱気の「一歩ひいた」自己採点になりかねない。従来のオール客観式よりも生徒によっては「自己採ミス」の不安のモトとなるでしょう。大学個別試験を前に、神経質な受験生であれば持ち点(センターの自己採点得点ね)に拠りどころを感じられず、志望を下げるケースも出てくるかもしれない。
 
 
 
試験方式によってだけでなく、受験生個々人の性質によって見方が変わってしまう記述式部分の自己採点については、採点基準を明確にすることで不安を払拭できる、と思われるかもしれないが、そもそも高校の先生方だって、「私の記述答案は何点になるでしょうか?」と生徒に聞かれても100%の自信をもって答えられるかどうかはアヤシイ。。。これは決して、学校の先生の能力不足なのではなく、先生が記述式答案を採点することの難しさを実に公平に理解しているからです。
 
 
 
新テストにおけるこの国語・記述式出題はその例題など、目新しさのみ注目されやすいですが、じつはこの自己採点の危うさはまだ周知されていないように思えます。英語がセンター試験から民間資格試験へと移行するとは異なり、国語力の試験の「割り切れなさ」はすっきりとは解決されないでしょう。
 
 
いっそのこと、センター試験で画一的に国語の試験をするのをやめればいいのに・・・とまで思います。その代わり、センター利用入試をおこなう国立・公立・私立大学は、個別試験の一科としてアドミッション・レポート(医学科で必要な志望理由書をイメージしてみてください。自分はこういう人間です、大学でこういう勉強をして、社会でこういう役割を果たしたいです、、、って日本語で書かせるもの。)を提出させればよいと思う。古文・漢文は今後の教育に必要かどうかとか、そもそも試験のために国語を勉強するのは間違っているんです。アドミッション・レポートを書く中で、大学で文学を勉強したい受験生ならそのための知識は持っていなくてはいけないし、それゆえそれはセンター試験のための知識ではなくて次の教育段階・大学教育で深めたい知識であるはず。理系の受験生でも、現代文をしっかり勉強して自分の考えを明確に持ち、文章で考えを伝える術を高校で身につけなくてはいけないでしょう。「大学なんて自分には関係ない」という人でも、企業で働くにせよ起業するにせよ現代日本語で自分の考えを他者に伝えるスキルは絶対に必要です。
 
 
今回はなにか話が大きくなってしまいましたが、注目される大学入試センター試験の改革は、表にあらわれる出題方式の変更だけではないですよ!リアルに自己採点まで考えたら、これは思った以上にたいへん困難な影響を及ぼす変更ですよ!・・・これをこの文章で伝えることができたなら嬉しいです。

 

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