大学受験と自由英作文。

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英作文対策と例文暗記

 

 

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英作文の対策と聞いてまず頭に浮かぶのは、例文暗記でしょうか。確かに私も高校生2年生の時、高校から渡された教材の一つとして「基本例文300」を覚えました。大きいサイズの単語カードに、表=英文 裏=日本文(+ここで覚えるべき大事な英語表現)を書いて・・・
そしてそこから得られた知識も少なからずありました。英語の成績を上げるにはとても意味ある勉強だったと思います。
 
 
しかし、どんな例文集であっても、例文の丸暗記だけでは無意味です。その例文がソックリそのまま出題される入試ならともかく(??そんなところあるの??)、一文をツルーッといえるまで暗記しようとするのは完全に誤ったやり方です。口頭で一文を言えるようになる努力が、少なくとも大学受験で役に立つことはないでしょう。
 
 
例文暗記をする意味は、その例文の構造を理解し、意味の区切りを意識し、その例文で用いられている構文・語句表現を覚えることです。特に、構文・語句表現は、ネクステなどの問題集で単発の状態(空所補充になっていて、その表現だけを問われている状態)で学んでいるだけでは、いざ自力で英文を書こうという段になって、他の部分とその構文・語句表現がどうつながればよいのか考えて判断する力がつきません。マーク模試だとなんとなく点数がよいが、記述となるとガクッと下がるという受験生は、ネクステなどでの浅い勉強しかしていないからです。
 
 
「あるある」な例として、preventを挙げてみます。
虫食い状態の勉強をしている受験生は prevent と fromがセットにあって刷りこまれているから、英作文で prevent の直後に from を置くというエラーをしてしまいます。単純化された勉強しかしてきていない受験生には、そもそもなぜこれがエラーになるのか認識することも難しいのかもしれません。
これがもし、Bad weather prevented airplanes from leaving the airport.  といった例文暗記ができていたなら、prevent は他動詞であり、目的語が直後につくということを自分のなかに蓄積された例文データバンクで確認することができ、その結果、ミスのない英作文を書けるようになります。そのため、自分が受験しようとしている大学で、2~3行程度の短い和文英訳が出題されるのなら、例文暗記は強力な味方になるでしょう。豊富な例文データバンクが頭のなかにあれば、与えられた日本文の解釈から、適切な英文またはヒントになりそうな英文を持ってくることが短時間のうちにできます。
 
 
自由英作文が出題される大学を受験する場合、短文暗記は無意味ではありませんが、武器にはなってくれません。和文英訳と異なり、日本語にあてこむ英語のカタチが適切かどうかが評価されるのではなく、自由英作文においては(極論すると)、どんな平易な構造の英文でもかまわないから、全体の流れや陳述が明確につくれるかどうかが評価のポイントになります。先ほど挙げた S prevent O from ~の構文でなくても、S(O) didn't / couldn't ~ で十分よいのです。むろん、例文を暗記していることで、語数調整の必要があるときはべつの構文を使うことによって、増減できるという強みもあります。
 
 
自由英作文の対策としては、例文暗記をパーフェクトにする努力は時間のムダかもしれません。受験まで一年以上時間があるというのなら例文暗記に時間をかけてもよいですが、10~11月のこの時点でいえば、自由英作文の対策はまずお題に対して日本文で全体の流れ・論理をくみたてることから始めるべきです。逆説的に聞こえるかもしれませんが、持っている日本語の力と一般常識の力を増強することによって自由英作文の得点力を上げることになるのです。
論理が組み上げられれば、次のステップとして平明な英文にしていく。多くの受験生は、第一段階の「論理構成」を軽視し第二段階の「英文化」だけを不安がっている傾向があるようです
 
 
 
どんなトピックでもきっちり論理的文章に仕上げられるよう、Power Your Writingで訓練を始めましょう!

 

 

 

 

 

 

 


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英作文の対策はいつから?

 

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検索で「英作文 対策」といれるとその後に「いつから」がついてきます。英作文対策を本格的に始める時期について、考えている方が多いのですね。ところが、国立旧帝レベルの大学が軒並み自由英作文を出題するようになった今、上位を目指そうという受験生にとって「いつから英作文の対策をやり始めればよいか」という問いは・・・愚問です。
 
 
 
 
 
結論からいうと、英作文の対策は文法項目の学習をしている時点から並行しておこなっていくべきです。つまり時制を学んだ際に、では英文を一文まるまる書いてみて、主節・副詞節のカタマリを意識したうえで適切な時制を使えているかどうかを確かめていく、ということです。文法項目を学んだ際に、択一式や穴埋め式の問題演習だけで終わっていると、トータルな構造を考えた英作文訓練になりません。ネクステなどの問題集で、「何周もやっているのに模試の点数がよくない。英作文も書けない。」という悩みを抱える人が多いのは、英文法と英作文を分離して勉強してきてしまったからです。英文法と英作文は、表裏一体ですよ。文法事項の学習と、整序英作文・短文英作文を同時に行なうのがベストな「始め方」です。
 
 
 
いっぽう、自由英作文の対策は、センター試験後・出願する大学をもたもたしないで決断したら即、スタートさせるのがベストです。確かに10月・11月の記述模試でも自由英作文が出題されますが、あくまでも途中経過の英文作成スキルを見るだけで、模試の形式でよく書けたとしても実際の個別試験では語数も形式も異なるのでこの時点で対策していないから駄目だ・・・ということにはなりません。とはいえ、対策をしていればなお良いことは言うまでもありません。

 
国公立志望者は、センター試験が済めばあとは次第と国公立二次に向けた準備をしていくことになります。教科・科目の重複もあるのでセンター直前期ほど多くの教科・科目を手広くやる必要がなくなります。国公立二次の対策をしていくなかでついでに私大の過去問演習をするというスタイルになっていくでしょう。私大の入試は一般的に2月中旬までで終わるので、そこからは毎日、自由英作文を一題書きあげては添削してもらいましょう。そして返却されたものを読み込んで、同じミスは繰り返さない・自分の論理構成の弱点を知り次回の提出では穴のない答案にしていこうと努力する。 
 
先に述べたように、文法学習と並行して短文英作文の訓練をしておけば、二次対策に集中するこの時期は受験大学の出題形式に合わせた語数調整・論理構成に焦点を当てた勉強が可能になります。 
 
センター試験が終わって、受験大学を決めてからようやく英作文の練習を始めるのでは、遅いです。「自分はその時期に始めても合格できたよ?」という人もいるかもしれません。しかし、省エネで合格しようとか、「間に合った人もいるから自分もなんとかなる」とか考えている人は、それは変化していく情勢に対処していけない、ある種の病的な甘えであるということもこの際、理解しておきましょう。
 
 
 
 
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女子大を選ぶメリット

 

 

 

 

 

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。。。今回も英作文に関係ない話を展開することになります。。。
今回は、毎年周期的に要・不要論が出てくる「女子大」の存在について。女子大に進学するメリットって、何でしょう?
 
 
 
はっきりいって、高校生時点で明白に実感できるメリットはありません。「女子大行っても楽しくない」って、高校生は言いますが、もうその時点で楽しいか楽しくないかの軸での判断でしかないんですね・・・ガッコに何しに行くのよ?
 
 
でも、女子大を選ぶメリットはたしかに存在します。大多数の女子受験生が共学大を選ぶなか、多様性の一局面として女子大を選んでそのなかで4年間過ごす。ちょっと単純に思われるかもしれないけれど、女子しかいない環境で勉強するというのは、みずから選ばなければ得られない経験です。そういう経験をしようというのは勇気が要ることだし(でも当人たちは日ごろからそうした選択をやりつけているかもしれないから、そう大した勇気も必要ないかも)長い人生において貴重な経験になるでしょう。
 
 
 
「貴重」というのは決して、その選択をする人の数が少ないからではないです。学習・研究環境でも労働環境でも、いままだ「多様性」というコトバがようやく世の中に出回り始めた段階の日本社会で、女性だけでなにかを落ち着いて進めていくということができる機会は、そう多くありません。
 
 
「女性だけで」という条件だけなら、従来のパートタイマー職場、PTA、ママ友といったシーンでもあてはまりそうです。ただし「なにかを落ち着いて進めていく」となると、上に挙げた3つのシーンはどうなんでしょう?・・・あてはまらない事態がリアルに浮かぶのではないでしょうか。
 
 
 
女子大を卒業するメリットは、

①多様性を身を以って知ること 

②あるプロジェクトを落ち着いて進めていける各種スキルを身につけられること  

だと思います。
 
 
①はなかなか逆説的です。女子大は、女性しかいない生物上の画一性かと思いきや、じつは社会上の多様性の一つなんですね。もはや、女子大しか選べない時代ではありません。いまは、あえて女子大を選ぶことで新しい視点を獲得することが可能になっています。むろん、女子大進学で得られるこの新しい視点ではなく、共学大進学でべつの新しい視点を獲得したっていいんです。どっちかしかダメ、という考えがおかしい。
 
 
 
だけどせっかく女性が大学を選べて、卒業後も社会のなかで有用な人材になろうというのならなおのこと、女子大へ進学し、「誰も他にひっぱっていってくれる人がいないなかで、自分たち(女性)がエンジンとなって進めていく」ために必要な経験値を積んでいってほしい。
 
 
 
 
男性だけの職場が少なくなり、女性の社会進出が叫ばれて、働く女性の数がどんどん増えました。でもそれは、男性と同じ働き方をしてしまうことからくるジレンマを生じさせもしました。結果的に子をもつことをあきらめたり、子をもっても育児との両立に苦しんで、働くことをやめてしまったりする女性も多く産みだされてしまいました。
 
 
 
もしかしたら、社会進出を始めた世代の女性たちが、多様性を考えず(その時代そのものが多様性に寛容じゃなかったこともある)、男性と共に働くということに対して「お祭り状態」・・・というとひどいかもしれないけれど、冷静に事にあたれなかったからではないでしょうか。男性と同じように、男性がやっている通りに働いて、「よし!自分出来てる!」と思っていたとすると、はてしなく自己満足・・・社会進出にともなう残念な効果になってしまいました。
 
 
 
いまは、男性と一緒に仕事をするにしても、女性の視点からもアプローチすることが必要になってきています。男性上司から指示されたとおりにやっていればそれでよい、なんて思っている人はかなり・・・時代錯誤かもしれないですね。
 
 
 
 
女性が損なわれることなく、チーム統制力・伝達力をもって働けば、なにかをあきらめる・あきらめざるをえない働き方に代わる、べつの働き方が見つかってゆくのではないかなと思います。男性がしてきた働き方では、たとえば長時間勤務が大きな問題になっている現在や今後、通用しなくなるでしょうね。「男性方式」ではうまくいかなくなってきた、ではべつの方式を模索しよう・・・これの予行演習が、女子大で学ぶメリットなのではと思います。
 
 
 
 
いま受験大学や進学先で悩んでいる女子受験生や保護者の方には、ぜひ、次世代の女性人材に不可欠なスキルを獲得できるという、わりと気の長いアドバンテージがあることも考慮してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 
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大学入試センター・新テストの自己採点は?

 

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今回は2020年実施を予定されている大学入試センター(新テスト)について、大学入試センター発表からのリサーチをもとに少し考察も加えて書いていきます。今日は英語ライティング・・・の出番はほぼありません!
 
平成29年2月・3月に大学1年生を対象として行われた、国語・数学に記述式を一部組み込んだモニター調査では、自己採点もシミュレートされました。その結果、受験者自身による自己採点と、採点業務委託を受けた民間業者による採点との一致率が出されました。数学では受験生サイドの自己採点と業者サイドの採点との間に、平均9割の一致率があったのに対し国語は平均6割強。数学では途中の部分点の有無が明確に示しやすく受験者も自己採点しやすかったでしょうが、国語の部分点の有無は受験者には判断がつきにくいからでしょう。
 
 
センター試験の自己採点結果にもとづいて出願先を決めるに際して、国語の自己採点結果によっては揺らぎが生じる可能性が出てきそうです。すなわち国語や記述式に対して苦手意識がある生徒は自分の答案に部分点を上乗せしづらく、弱気の「一歩ひいた」自己採点になりかねない。従来のオール客観式よりも生徒によっては「自己採ミス」の不安のモトとなるでしょう。大学個別試験を前に、神経質な受験生であれば持ち点(センターの自己採点得点ね)に拠りどころを感じられず、志望を下げるケースも出てくるかもしれない。
 
 
 
試験方式によってだけでなく、受験生個々人の性質によって見方が変わってしまう記述式部分の自己採点については、採点基準を明確にすることで不安を払拭できる、と思われるかもしれないが、そもそも高校の先生方だって、「私の記述答案は何点になるでしょうか?」と生徒に聞かれても100%の自信をもって答えられるかどうかはアヤシイ。。。これは決して、学校の先生の能力不足なのではなく、先生が記述式答案を採点することの難しさを実に公平に理解しているからです。
 
 
 
新テストにおけるこの国語・記述式出題はその例題など、目新しさのみ注目されやすいですが、じつはこの自己採点の危うさはまだ周知されていないように思えます。英語がセンター試験から民間資格試験へと移行するとは異なり、国語力の試験の「割り切れなさ」はすっきりとは解決されないでしょう。
 
 
いっそのこと、センター試験で画一的に国語の試験をするのをやめればいいのに・・・とまで思います。その代わり、センター利用入試をおこなう国立・公立・私立大学は、個別試験の一科としてアドミッション・レポート(医学科で必要な志望理由書をイメージしてみてください。自分はこういう人間です、大学でこういう勉強をして、社会でこういう役割を果たしたいです、、、って日本語で書かせるもの。)を提出させればよいと思う。古文・漢文は今後の教育に必要かどうかとか、そもそも試験のために国語を勉強するのは間違っているんです。アドミッション・レポートを書く中で、大学で文学を勉強したい受験生ならそのための知識は持っていなくてはいけないし、それゆえそれはセンター試験のための知識ではなくて次の教育段階・大学教育で深めたい知識であるはず。理系の受験生でも、現代文をしっかり勉強して自分の考えを明確に持ち、文章で考えを伝える術を高校で身につけなくてはいけないでしょう。「大学なんて自分には関係ない」という人でも、企業で働くにせよ起業するにせよ現代日本語で自分の考えを他者に伝えるスキルは絶対に必要です。
 
 
今回はなにか話が大きくなってしまいましたが、注目される大学入試センター試験の改革は、表にあらわれる出題方式の変更だけではないですよ!リアルに自己採点まで考えたら、これは思った以上にたいへん困難な影響を及ぼす変更ですよ!・・・これをこの文章で伝えることができたなら嬉しいです。

 

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英検、TEAP、そしてGTEC-CBT(2)

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 今回はGTEC-CBTとTEAPについて、実際に受験した際の感想なども併せて書きます。
 
 
 
GTEC-CBTは完全個別ブースでの受験。隣との距離が意外に近くて、スピーキング時はヘッドホンをしていても隣の人の声が聞こえてきます。上手な人でもそうでない人でも、他人の話す声は気になってしまうものです。試験中全セクションずっと、モニター上にremaining time(残り時間)が表示されますが、それを気にしていると処理が遅れてしまいます。
 
 
 
 
最大の特徴といってよいのは、GTEC-CBTでは、受験者の正答率に応じて出題される問いのレベルが変動するということ。。。どういうことかというと、標準レベルの問いで正解し続けているとその後に出題される問いのレベルが順次上がっていきます。反対に、最初のところで誤答ばかり続くと、次の問いのレベルが下がってゆきます。受験生によって答える問いが異なってくるのです。友達と感想を言い合っても、「え私そんな問題出なかったけど・・・」となるのです。GTEC-CBTの評価では、正解できる問いのレベルがその人のスキルレベルなのであって、それこそ一点刻みの得点主義でレベル分けされるのではありません。この辺りはよく考えられている試験だなと思います。Writing/Speakingセクションでは、レベル無関係で統一のお題が出題されているようです。
 
 
一方、TEAPは従来の紙ベースでの筆記試験なので、こちらのスタイルに安心を覚える人も多いのではないでしょうか。受験生が受ける各種模試と同じ、厚みのある解答用紙に答えを記入していきます。マークシート方式と記述式が混在します。この記述式が手書きなので、慣れていないと疲労が出るでしょう。200語近くの文章を正確に手書きするのは、なかなか消耗します。与えられた題材を利用し、自分の考えを組み上げていくことに意識が集中し時間をとられがちですが、いそいで書いてスペルミスを連発して減点をくらうのはもったいない。用いる語句も、同じ単語・表現をくりかえしてばかりだと語彙力不足とされて評価が下がります。私自身、受験した際は、下案つくって英文にしてそれから表現を練り直し語数をカウントして規定語数に達しているのを確認したら残り10分でした。自分は英作文を書きなれている方だと思うのですが、それでもタップリのゆとりは残らなかったです。
 
 
 
 
 
他にもGTEC-CBTとの違いは、TEAPのSpeakingは「人」と対面して話すことです。GTEC-CBTはモニターに向かって一人で話すので味気ないことこの上ない。TEAPでは、面接官を目の前にして話しますがその面接官はきちんと相槌をうってくれたりうなずいてくれたりこちらの話し出しを待っていてくれたりするので、こちらのスタイルの方がやりやすいでしょう。私はとても楽しんでinterviewを受けることができました。
 
 
 
 
このブログで、少しでも違いがイメージできて、これから受けようという方の役に立てばよいなと思います。特に文系上位者は、どうせ大学入学後もこうした資格試験を受けて自分のスキルを証明していかないといけない時代になってきたので、おっくうがらずに受けてみてください!!

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