大学受験と自由英作文。

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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【神戸大学】

 神戸大学の2017年度入試での自由英作文出題は以下の通り。

 

Read the paragraph below and answer the following two questions.  

          Every day of our lives, we make many different decisions, both small and big.  

     Sometimes we make decisions based on good reasons; other times we make

     decisions without careful consideration.  One example of the latter is called the

     Bandwagon Effect.  In this situation, you would choose to do something just because

     many other people are doing it. 

     (1) Describe a specific example of how the Bandwagon Effect has affected one of the

          decisions you have made in the past.  The answer must be written in English. 

          (around 40 words) 

     (2) Do you agree with the statement that the Bandwagon Effect has a stronger 

          influence on teenagers then adults when they are making decisions?  Include at

          least two reasons to support your answer.  The answer must be written in English. 

          (around 60 words)

 

問(1)は40語程度という短さ。自分の経験を一つ書けばよいだけです。材料に悩む・・・とか全然違う内容を書いてしまった・・・という人は長文、てゆーか文章の意味を正確にくみとれていないことが原因です。文章から正確な情報を得られていないのは英作文以前の課題です・・・

 

問(2)は約60語の指示。この60語程度というのも大学受験においては短いです。その短い中に少なくとも2つの理由を入れるよう要求されています。指示語数が多ければ十分に語数を費やして理由を述べることができますが、今回のように短い語数では2つの理由を盛り込むのに精一杯、しかもそれぞれ具体的な陳述にしないといけません。おそらく80語程度あったほうが書きやすいように思われます。

 

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それというのも、自由英作文においては「指示語数が少ないからラク」とは一概にいえないからです。

指示語数がタイトな場合、内容も明確に突き詰めて英文も簡潔に磨きこまないと合格レベルの答案になりません。こういう出題の方が玄人ごのみといえばそうだけど・・・

 

実際に書いてみると、「これ問(1)と問(2)に分けて出題する意味あったのかな?」と思いました。特に問(1)は文章の意味が正しくとれているかの確認程度にとどまる(問1の答案作成時点でエラーが多い受験生はそもそも二次記述レベルの英語運用力が危険水域であるということ)ので、もしかすると次年度入試では形式変更・分量増があるかもしれません。

 

これまで大学受験の二次試験では、長文読解と自由英作文は分離して出題されることがほとんどでした。しかし東北大学慶應義塾大学(経済)で出題されているように、受験生に長文(東北大学2017年度入試では会話文)をまず読んでもらい問いに答える、その後に長文の内容に絡んだテーマで自由英作文を出題する「融合型」の形式が今後は増えてくるかもしれません。

長文と自由英作文を切り離すやり方だと形式による慣熟ばかりになり、総合的な思考力が測れないと考えられているからかな。

 

神戸大学は受験生の人気に比して、出題される長文は標準レベルの分量・やや易ともいえる程度ですので、受験生間に差をつけるためにも英作文をいじってくる可能性は十分あるといえるでしょう。

地域的にみて大阪大学志望者がセンター後に出願変更するケースが多いでしょうし、大阪大学で要求されている「70語程度」に寄せてくるかもしれません。

 

 

 


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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【大阪大】

大阪大学での自由英作文は、2017年度は次のようなものでした。

インターネットサイトのQ&Aサイトに中学2年生から次のような相談がありました。

 私は、はっきり言って勉強が嫌いです。特に嫌いなのが英語と数学です。一生外国に行くつもりなんかないし、日本では日本語が使えれば生きていけるのに、なぜ使う必要もない外国の言葉を、こんなに一生懸命勉強するのかわかりません。数学もそうです。買い物をするのに方程式や図形はいりません。なぜxやyを長々と書きまくるのか、全然理解できません。他の科目もいっぱいおぼえさせられるので嫌いです。(でも体育や音楽は楽しいから好きです。)

 この悩みをお父さんに言っても、ただ勉強しなさいと言うだけです。でも、正月におじさんに聞いたところ、お父さんも中学の時は全然勉強しなかったそうです。なぜ私は勉強しなければならないんでしょうか?

 さて、あなたならこの相談者にどのようなアドバイスをしますか。70語程度の英語で相談者へのアドバイスを書きなさい。

 

       f:id:happy_money:20170701152114p:plain 

 

 

指示語数は70語程度と、大学受験では短いです。でも70語「程度」とはどのくらい?

この「程度」の解釈については次のように考えましょう。

四捨五入的な考え方をすれば、70語程度とは65~74語書けばよいことになります。

しかし出題者の意図を考えれば、「このテーマでしかるべき内容を盛り込めば70語になるだろう」という考え方となり、70語を切らない方がよいことになります。いくら簡潔にまとめて(と書いた本人が思って)いても、指示された数字として70が挙がっている以上、70語は書いてください。

ここでは71~73語がセーフゾーンではないでしょうか。 

もし書いてみて67語になってしまった場合には、修飾語句や強調表現を加えてみます。あと3語4語を瞬時に増やせないようでは、その英語運用力はそもそも大阪大学合格がおぼつかないレベルなのです。

 

 次に盛り込むべき内容ですが、相談内容からしてすでに非常に具体的です。
これが答案作成の際に強力な材料となってくれるでしょう。
 
「一生外国に行くつもりなんかないし、日本では日本語が使えれば生きていける」
   ↓ ↓ ↓
今後、日本で働く外国人が増えるだろうし、その人たちと意思疎通するために英語を使う場面が多くなるだろうから、英語を使える力を身につけておくことが重要だ。
 
「(数学や)他の科目もいっぱいおぼえさせられるので嫌いです」
   ↓ ↓ ↓
知識を土台にしているからこそ独創的なアイデアが生まれる可能性が高まる。
ベーカリーショップでは、基本的なパンの作り方を知っているから新しい商品を工夫し作り出せる。
プログラミングでは基本的な知識があるから新しいプログラムを加えることができる。
将来どんな仕事につくか現時点で明確でないからこそ全教科の知識をなるべく多く覚えるよう努力することが大切だ。
 
・・・これらすべてを盛り込もうとすると70語はあっというまにオーバーです。ベーカリーショップとプログラミングの例はどちらか片方でよいでしょう。でも、材料をきっちり用意しておけば、指示語数はかならずクリアできます。またそのように語数は設定されているものと思います。
 
大阪大学は従来、それほど抽象的でないテーマを出すことが多い傾向です。受験生が自分の身辺にあるであろうと思われる題材を用いて考えられるテーマが今後も出題されるでしょう。
 そのなかでも人口知能(AI)や自動運転自動車などは、昨今のニュースを番組や新聞で見聞きしていれば、材料は容易に挙がってきそうです。
次年度の予想テーマとして書いてみておいて損はないでしょう!

 

 

 

 


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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【京都大・名古屋大・名古屋工業大】

2017年度入試においては自由英作文の出題は以下のようになりました。

 

京都大学 30~40語が2題

名古屋大学 20語が2題

名古屋工業大学 60~80語

 

 

京都大学は2016年度入試から30~40語が2題とみられる自由英作文を出題し2017年度入試でもその形式が踏襲されました。2016年度入試では「積ん読」の説明、2017年度入試では「音楽に国境はない」という意見に対する賛否を支える根拠を書かせるというものでした。

さらに、自由英作文ではない、和文英訳では「生兵法はケガのもと」という言い回しが出てきたりして、京都大学は高校での「選りすぐりの良問長文問題集」を演習しているだけでは身につかなそうな、目線をほんの少し下げた感じというか、日常生活のなかに転がっている意外な着眼点から作問してきますね。

だからといって適当に軽く考えてよいというわけではありません。短い語数だからこそ端的に内容を盛り込み正確に英文化しないといけない。

 

次年度は自由英作文が出題されるようになって3年目です。このままで継続するかもしれないし、全国的な傾向・潮流をみて形式変更や語数増があるかもしれないので要注意でしょう。

 

 

名古屋大学名古屋工業大学については、前回述べた東京大学東京工業大学の関係と同じことが言えると思います。もともと名古屋大学を志望していた理系上位層のなかで、思いがけずセンター試験の結果が芳しくなかった受験生は、名古屋工業大学の二次配点比率が超巨大なこともあり、名古屋工業大学の前期にシフトしていくケースが多いです。

 

ただし、東京大学東京工業大学の間にあった「自由英作文の訓練ムダだった」感は、名古屋エリアでは一掃されます。

2017年度入試までにおいて、名古屋大学より名古屋工業大学で出題される自由英作文の方が、要求される語数が多いのです。工学系受験生にとっては「これまで名古屋大学目指してきてて、結果として名古屋工業大学に出願することになったけど、自由英作文の練習をしてきてよかったわーしかも名古屋工業大学の方が語数多いし二次の配点比率高いから逆転の可能性高くなるわー(自分にとって有利だわー)」と考えてポジティブな材料になることがあるでしょう。

 

名古屋大学は、2018年度入試において、この自由英作文をどう扱うのでしょうか?名古屋工業大学との、言ってみれば「大学ブランドと入試要求の逆転現象」を解消してくるでしょうか。

大学入試改革の動きを受けて、もしかすると名古屋大学は自由英作文の出題変更・語数増へと動いていくかもしれません。

この変化動向は、京都大学での出題変更より可能性があるような気がします。。。

 

名古屋工業大学は昔は自由英作文を出題しなかったが理系大学なのに思い切って自由英作文を受験に導入した。名古屋工業大学が変われたのに、名古屋大学は変われない」と言われるのは得策ではないでしょう。

 

 

 


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富山生まれ・・・!! 言いたいことある人 言わんまいけ

不二越会長の発言で燃えてる富山県

 

私 打ち明けると 富山県産です

県下有数の進学校と言われる高校から大学は東京都へ出ていきました

 

県民傾向として保守的閉鎖的なのは百も承知で、でもその傾向にも良さがあるのよ

それは日本全国、いいえ世界どの国どの地域にもいえることなのよ

 

日本の、いち都道府県の県民性について好きなこというのは結構ですがそれを雇用採用に絡めちゃいけないです

 

ってゆーかこれで富山県出身者は、柴田理恵さん剣幸さんに勝る強力なキラーアイコンを持ててよかったね。自己紹介の際には「不二越会長から閉鎖的といわれた富山生まれです~」って言えばみんな「ああ!」って一気にアイスブレーキングするかもね!

 

こんな考え方は保守的閉鎖的かしらね

 

 

 

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2017年度入試でこうなってた&次こうなるかも【東京大・東京工業大・九州大】

まずは以下のデータをまとめてみました。

 

<2017年度入試(前期)で自由英作文が出題された大学とその指示語数>

 

上位に位置付けられることの多い大学はこのような出題結果でした。

今回はそのなかでも九州大学東京大学東京工業大学に注目したいと思います。

 

 

大学入試改革の動きを受けてか九州大学であらたに自由英作文の出題がありました。過去問しか見てきていない受験生や、英語が得点源にならない受験生にとっては多少のショックがあったでしょう。国立上位大を受験するのなら、どこの地域を受けるにせよ、自由英作文の訓練を積んでおくのが必須の状況になってきています。単年で出題形式をコロコロ変えることは学生募集の面から学力評価の不均衡につながりますので次年度も出題があるとみるのが妥当です。

 

 東京大学での自由英作文出題は例年通り。この大学を受験する学力層であれば余裕で書きぬけていけるものです。

 

 

東京工業大学では自由英作文の出題は2017年度入試においてもみられませんでした。入学式で学長が英語でスピーチしたというのが春先にニュースになりましたが、入試の場ではやはり数学・物理重視のままなのでしょうか・・・

 

しかし、理系上位者層にはセンター試験の結果によっては、繊細な意思決定をし、それまで志望していた東京大学を回避し東京工業大学を前期受験するという行動パターンがあります。そうした学力層の子たちはセンター試験にキュウキュウすることなく二次対策を十分してきています。となれば東京大学受験を見据えてこれまで自由英作文の訓練もしてきているわけですから、現状のままだと東京工業大学に出願した時点で自由英作文の訓練が無駄とはいわないまでも、その論理力育成の経験が活かされなくなってしまいます。

 

東京工業大学の内部にも自由英作文の導入を検討する動きがあるのではと考えてもおかしくないし、結果的に2018年度入試に英語の出題形式変更がありそれに伴い自由英作文が出題されても不思議ではない情勢が整いつつあります。

 

次回は京都大学名古屋大学名古屋工業大学について考察したいと思います。

 

 

 

 

 


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